シビックRSに乗り始めてから本格的に使うようになって、ナビ屋さんが作る一番カーナビらしいナビアプリだと思っていたパイオニアの「COCCHi」が、2026年11月30日をもってサービス終了というニュースが降ってきました。
jpn.pioneer
幸いにして年間契約なので、Android Autoとして利用可能な有料会員の状態はサービス終了まで維持されることは確定ですが、困る。困ります。車載ナビらしい案内と見た目で愛用していたのですが、まさかこんなことになるなんて思いもしませんでした。モバイルゲームのサ終宣告を聞いた気分。
ただニュースリリースで顔を出したくらいでポータルサイトもなんもないですが、マツダから今年発表になったCX-5のリリースと同時期にリリースされた「COCCHi for Automotive」については継続がアナウンスされているのでしばらくは大丈夫そうですが、母数が圧倒的に少ない「Google 搭載」でしか使えないとなると、CX-5専用として生きたまま終了していきそうな勢いもあり、こちらも未来は不透明です。
ということで来る12月1日までに次のナビアプリを探さねばなりません。COCCHiでできていたことが究極すぎるので、何を妥協するかが非常に難しいです。
現状COCCHiでできていて、ないと困るもの、なくても大丈夫そうなもの、COCCHiになかったのでほしいものをまとめてみます。
ちなみにルートの正確性や到着時刻の正確性については比較の対象外です。
ないと困る
- Android Auto利用時にもスマートフォンで情報を表示できること。地図を出して2画面体制にし、センターディスプレイではヘディングアップ、スマートフォンではノースアップなどができること
- 高速道路走行中におけるインターチェンジやSA/PAの予告表示ができるいわゆる「ハイウェイモード」が表示できること。これは前項のスマートフォン併用だとなおよい
- ルート案内をしていなくても、交差点情報を表示できること。主要交差点における交差点名、「方面及び方向」の案内標識やレーン情報など
- 音声案内時には再生中の音楽の音量を下げないこと
- 音声案内用スピーカーで再生されること*1
- 音声案内時、高速道路のジャンクションにおいて案内標識に記載されている、進行する方面をすべて読み上げること(後述します)
- 有料道路、国道、都道府県道、一般道の色区別があること
なくても大丈夫そう(あるとうれしい)
- 道路の色区別のうち、都道府県道の「主要地方道(緑色)」「一般都道府県道(黄色)」の出し分け
- ルート案内時、主要交差点などの3D表示や高速道路のランプウェイの3D表示
- 速度取り締まり機予告
COCCHiになかったのでほしいもの
- 商業施設において駐車場入口がある場合に目的地にできる入口を選択できること(あるとうれしい)
- ルート案内に経由地設定がある場合、その経由地の到着予定時刻が表示できること(あるとうれしい)
- センターディスプレイ上での2画面表示(なくてもいい) *2
- 音声案内時の交差点名読み上げ(なくてもいい) *3
- 地図上の施設アイコンの表示・非表示を設定できる(なくてもいい)
- 「Google 搭載」なら、ETC 2.0による図形情報を取得できること(なくてもいい) *4
音声案内時、高速道路のジャンクションにおいて案内標識に記載されている、進行する方面をすべて読み上げること について
自分がこれまで触ってきたPanasonic製のナビ *5 においては、ジャンクションの案内標識に書かれている方面を読み上げてくれていました。例えばこの場面。
このときルートが外環道方向だったとき、Panasonicの音声案内だと「三郷JCTを、左方向、三郷出口。外環、高谷、大泉方面です。」とすべて読み上げます。COCCHiにおいても方面を入れるタイミングは違えどこれに準じた案内をします。
この案内に慣れているというのもありますが、案内標識の情報を読み上げてくれると、すべて聞き取れず断片的だったとしてもどっちに進めば良いかを見失うことが少なくなります。という理由で、これは欠かせない点のひとつです。
以下はAndroid Auto対応のナビアプリと、それでできることをまとめたものです。
Google MapsはGoogle 搭載としてのものを、Yahoo!カーナビ、moviLinkについては同日に実走で検証し、確認ルートは常磐自動車道の流山ICから三郷料金所スマートICおよび三郷IC(東出口)で、条件を合わせるために何往復かしています。
カーナビタイムは別日に上記ルートを含む、常磐自動車道の柏ICより三郷JCTを経て、東京外環自動車道の高谷JCTへ抜けるルートを片道だけ使用しました。
Google Maps(Google 搭載版)
| 機能 |
できるかどうか |
| スマートフォンが2画面目の地図として出せる |
× スマートフォン連携はない*6 |
| ハイウェイモードになる |
× ならない |
| 交差点情報などをルート案内なしで表示できるか |
× 表示できない |
| 音声案内時音楽の音量 |
× 小さくされる |
| 音声案内の再生は |
○ ナビゲーション用スピーカーで再生される |
| ジャンクションの案内標識を読み上げて |
△ 案内はあるが表現が不自然。後述 |
| 道路の色分け |
× しない |
| 細かい道路の色分け |
× しない |
| 3D表示 |
× ない |
| 速度取り締まり機予告 |
ない |
| 商業施設の入口候補選択 |
× ない |
| 経由地の到着予定時刻は |
- 未検証 |
| センターディスプレイ分割 |
ない |
| 交差点名読み上げ |
あるが自動音声のため誤読が多い |
| Google 搭載 |
対応 |
Google 搭載のGoogle マップですが、許せるのは標準搭載で無料であることと、スマートフォンの Google マップから位置情報を転送しておけば、車の始動時に勝手に設定してくれることくらいです。あとはナビとしての機能はお察し。
ジャンクションの案内音声は不自然で、先ほどの三郷JCTの案内だと「三郷JCT、三郷インターチェンジ方面です。左車線を使用します。」と案内します。どっちに向かうかは教えてくれません。
そして、画面ではジャンクションや案内標識の図示ができない代わりに案内領域に文字で出そうとしますが、案内標識とは違うものを出すことがあります。例えば、
[三郷JCT]
↖三郷IC
と出ます。しかし、その次のスポットでは
[三郷JCT]東京外環自動車道
↖[296] 松戸 / 三郷市街
と表示されます。標識では「外環」「三郷市街」「高谷」なので「三郷市街」を頼りに向かわねばなりません。
その他、自分が必要で妥協したくない点もあり、使うのは厳しいと言わざるを得ません。
ちなみに検証ルートへ向かうまでの一般道でも使用しました。一般的なナビでは案内しないような道路名や案内に溢れてしまい肝心の情報が隠れるような場面もちらほらとあり、ナビとしてはあまりよくない印象を受けました。
Yahoo! カーナビ
| 機能 |
できるかどうか |
| スマートフォンが2画面目の地図として出せる |
× 強制的に閉じられてしまう |
| ハイウェイモードになる |
× ならない |
| 交差点情報などをルート案内なしで表示できるか |
× Android Autoでは不可能。単体でも明示的に「運転モード」にしないといけないが、レーン情報のみ |
| 音声案内時音楽の音量 |
○ 維持したままにできる設定あり |
| 音声案内の再生は |
○ ナビゲーション用スピーカーで再生される |
| ジャンクションの案内標識を読み上げ |
△ 読み上げてくれる場合があるらしい(少なくとも検証ルートでは確認できず) |
| 道路の色分け |
× しない |
| 細かい道路の色分け |
× しない |
| 3D表示 |
○ ある |
| 速度取り締まり機予告 |
ある |
| 商業施設の入口候補選択 |
× ない |
| 経由地の到着予定時刻 |
- 未検証 |
| センターディスプレイ分割 |
ない |
| 交差点名読み上げ |
ある |
| Google 搭載 |
非対応 |
おそらくCOCCHiの代替として挙がる候補のひとつだと思います。無料でAndroid Autoに接続できる点も大きいです。
しかし、Android Autoとして接続するとスマートフォン側は起動すら拒まれる動きをします。
センターディスプレイでは先のIC/JCT/PA/SA表示もありませんでした。スマートフォンだけで使うとハイウェイモード表示になり、先の表示が一覧で出てきます。
また、センターディスプレイには案内標識やジャンクション構造の表示ができますが、今回の検証ルートでは音声案内は方向のみを案内し、方面は案内しませんでした。
そんなわけでいろんなことに目をつぶれば確かに便利そう。でも、スマートフォンを2画面目として扱えないことは個人的に微妙。また、ルート案内なしでは交差点情報を案内しない点も個人的には違和感。ということで厳しいという判定です。
moviLink
| 機能 |
できるかどうか |
| スマートフォンが2画面目の地図として出せる |
× Android Auto側で開くと自動でスマートフォン側も開くが、目的地検索しか扱えない |
| ハイウェイモードになる |
○ なるが簡易情報のみ |
| 交差点情報などをルート案内なしで表示できるか |
× できない |
| 音声案内時音楽の音量は |
× 小さくされる |
| 音声案内の再生は |
○ ナビゲーション用スピーカーで再生される |
| ジャンクションの案内標識を読み上げ |
△ すると思う(検証不足) |
| 道路の色分け |
× しない |
| 細かい道路の色分け |
× しない |
| 3D表示 |
△ あるが、道路の分岐表示のみで案内標識の再現はなし |
| 速度取り締まり機予告 |
ない |
| 商業施設の入口候補選択 |
× ない |
| 経由地の到着予定時刻 |
- 未検証 |
| センターディスプレイ分割 |
ない |
| 交差点名読み上げ |
ある |
| Google 搭載 |
非対応 |
トヨタ(トヨタコネクティッド)が提供するナビアプリで、車載ナビとほぼ同じだそうです。
図形表示はナビ独自のものを用い、ジャンクションの案内に案内標識の再現はないタイプです。音声による方面案内は代表的な地名をひとつだけ案内します。例えば三郷JCTを外環道松戸方から常磐道水戸方面へ向かう場面では、「右方向、柏 方面です。」と案内します。
車載ナビと同様に事前収録の音声を使用するため、交差点名は収録があるものを利用します。従って読み間違いなどはほぼ起こらない感じです。
また、ルート案内がない場合はYahoo!カーナビなどと同様に交差点情報などの案内がされなくなります。
スマートフォンを2画面目として扱えない点はYahoo!カーナビと同様で個人的に微妙。案内の内容は車載ナビに準じてまあまあアリかな…という雰囲気はあります。
カーナビタイム
| 機能 |
できるかどうか |
| スマートフォンが2画面目の地図として出せる |
○→△ 最近できるようになったが、ルートなしのときに地図が非表示になったり、DAと地図表示を分けられない (8/29追記) |
| ハイウェイモードになる |
○ なる。Android Autoでは未検証 |
| 交差点情報などをルート案内なしで表示できるか |
○ 最近「ルートなし案内をしない設定」が増えたほどにはもともと表示できていた |
| 音声案内時音楽の音量は |
○ 小さくする「オーディオダッキング」設定をオフで対応可能 |
| 音声案内の再生は |
○ ナビゲーション用スピーカーで再生される |
| ジャンクションの案内標識を読み上げ |
○ する。一般道でも案内標識の地名を読み上げる場合がある。ただし、高速道路の場合は分岐から1kmより手前まで |
| 道路の色分け |
○ する |
| 細かい道路の色分け |
× しない |
| 3D表示 |
○ ある |
| 速度取り締まり機予告 |
ある |
| 商業施設の入口候補選択 |
○ ある |
| 経由地の到着予定時刻 |
○ ある |
| センターディスプレイ分割 |
ない |
| 交差点名読み上げ |
ある |
| Google 搭載 |
対応アプリあり |
Google Maps、Yahoo!カーナビ、moviLinkの検証の時には食わず嫌いをして使ってなかったんですが、とりあえずAndroid Auto接続無しで検証だけ進めておこうと別日で使い始めています。
実は自分が求めるほぼ全てを網羅しているという理想ドンピシャなナビアプリでした。音声案内もCOCCHi同様に案内標識の内容をすべて読み上げるタイプです。走った感じでは高速道路では1kmほど手前くらいまでを標識の読み上げ、そこからは方向のみを案内する感じのようです。一般道では交差点名と案内標識の方面を500mくらい手前まで読み上げた上、その先は曲がる方向を案内する動きをしています。
音声は自動音声…に聞こえるのですが、事前収録の雰囲気もあります。音質がよくないのでどちらともとれない微妙なところです。
ルート案内を設定せずとも交差点情報などを表示できることも確認しましたし、むしろ最近「案内しない」設定が増えたくらいです。ただし、案内される交差点情報はCOCCHiよりは少ない印象を受けました。
スマートフォンが2画面目になるのはつい先月のアップデートで対応されたようで、スマートフォン側に一切の制約を設けないと明記されています。COCCHiを意識したアップデートだなぁと思いつつも見ている限りではCOCCHi以上の情報量が得られそうな気がしています。
Android Autoでの検証ができていないのは、カーナビタイムの「プレミアムプラス」を契約しなければ使用ができないためです。
現状は「プレミアム」のお試し期間を利用してルート案内などを見ています*7が、プレミアムプラスだとお試し期間がないので今すぐに見るのはもったいない…ということです。その関係で音声案内の再生がどのスピーカーでなされるかは未検証となります。
理想ドンピシャとはいえ、ネックはその価格で、プレミアムでも700円/月、プレミアムプラスに至っては1200円/月と、COCCHiと比較してもめちゃくちゃ高いです。Google 搭載にもアプリが公開されていますが、こちらもプレミアムプラス契約が必須な感じです。
ただ、ここまで欲しい機能があるので、新たによさそうなものが出ない限りは致し方なくこれを選ぶかなあ…という気持ちでいます。
ちなみにカーナビタイムの検証は上記3つとは別日におこなっており、ナビアプリ泣かせとも言える外環千葉区間の半地下エリアを走ってきました。残念ながらスマホ単体では位置が正確に取れませんでしたが、かすかに開いているところから拾える位置情報をなんとか拾って頑張ろうとしてる雰囲気はありました。なおCOCCHiはAndroid Autoで表示してても周辺の道路にマップマッチングが持って行かれてしまいました*8。
*9カーナビタイムのいわゆる「Lite版」みたいな立ち位置の「ドライブサポーター」も試してますが、こちらは案内の仕方もおおよそカーナビタイムと同等であることを確認しています。Google 搭載対応ではないので、将来を見据えるとカーナビタイムを選ぶのが現時点での考えです。
(2026/08/29追記)
プレミアムプラスを契約したので少しずつ検証を進めています。所感は随時更新中です。Android Autoで使ってなかったときはよかったんですが、使い始めた途端ちょっと微妙感がでてきました。一応意見の投稿はしてありますが、スマートフォンを2画面目として扱えるといえ、ルートなしだと定期的に地図表示を消して操作を要求してくるのを確認しています。また、2画面それぞれでノース・ヘディングなどを分けて表示できないこともわかっています。COCCHiに比べれば意見が反映されやすい…気がするので、少し期待してます。
(2026/08/30追記)
ルート案内ありでもスマートフォンで何も操作してないと暗転して操作を求めてくることがわかりました。
いまの答えは
カーナビタイムを選ぼうとしています。COCCHiでできること、自分が求める理想に限りなくマッチしている点が大きく、Google 搭載に対応しアップデートも頻繁におこなわれていそうという面が理由です。でも高いのでちょっと二の足…。また、プレミアムプラス契約ではないのでAndroid Autoにして扱っていないという点もまだ不確定要素のひとつです。
今後より安価で理想のナビアプリが出てくるようなら検討し、乗り換えていくつもりです。COCCHi for Automotiveがホンダ車にも対応したら比較しますかねぇ。
ここまで比較して、ナビアプリは大きく2つ思想が分かれることを感じました。ひとつは「道案内に特化」したもの、もうひとつは「持ち歩けるカーナビゲーション」です。
Google MapsやYahoo!カーナビ、moviLinkは前者にあたり、普段は地図+αとして振る舞いますが、目的地を設定したときに運転に必要な情報を出すといった動きをします。案内もどちらかといえば普段車に乗らない人に向けて最小限、簡潔な案内が中心に感じます。
COCCHiやカーナビタイム(とドライブサポーター)は後者にあたり、案内の仕方やナビ無しでの振る舞いから、車載カーナビの代替えとして扱える性質が強い傾向にあります。普段から車に乗る人にとっては慣れ親しんだ案内になっているはず。
そして個人的には後者が好みです。もっと後者よりのナビアプリが増えるといいなーと思いました。
COCCHiが終わる前に安価で好みのナビアプリ、出ないかな…。さすがに自分で作るにはハードルが高すぎるので厳しい… 案内標識イメージリソースとか取得するのもどこから得れば良いんでしょうねぇ*10
他にナビアプリだとWazeもあり以前使っていたことがありますが、有志の情報に大きく依存することと、求めている機能とはほど遠いため、今回は除外しました。